屋上ガーデンの楽しみ方
ガーデンハーツでは、首都圏の個人邸マンションバルコニーに多数ウッドデッキを施工してまいりました。2005年4月から2007年3月までの2年間の施工実績は、約1,500物件。 そのうち「ルーフバルコニー」といわれる広い面積の屋上タイプのバルコニーは、50物件以上ありました。
「アウトドアリビング」という言葉の通り、外にあるもうひとつのリビングとして、広いバルコニーは大変人気を集めています。また、地球温暖化、ヒートアイランド現象といった環境問題が深刻化し、住宅の屋根や屋上を緑化する傾向にあります。
多数のマンションバルコニーの施工を手がけ、お客様の感想を伺っていると、ウッドデッキやプランターが憩いの空間づくりだけでなく、環境問題の解決策のひとつになっていると実感します。
ここでは、植物を育てることが大変お好きなお客様のバルコニーを通して、「ルーフバルコニー」の楽しみ方、有効活用の仕方をご紹介します。
K様邸のウッドデッキガーデン
K様邸には、2005年の春先に最初の工事をさせていただきました。それからは度々追加工事のご依頼いただいたり、弊社がお願いしてバルコニーの様子や植栽の成長を写真撮影させていただいたりしています。
- 植物が育ちやすい環境をつくる
- 環境保護につながる
- デザイン性と機能性を楽しむ
- 好きな場所をつくり、くつろぐ
- 経年変化を楽しむ
- 美しい庭を保つ
植物が育ちやすい環境をつくる
強風から守る
横浜市神奈川区にあるK様邸。
丹沢方面から吹く風と海から吹く風、双方が大変強く、大切なプランターが吹き飛んでしまうほどでした。
そこで、最初の工事でウッドデッキとフェンスを施工。高さ2000㎜程のラティスフェンスで強風をシャットアウト。夏にはブルーとグリーンの爽やかなコンテナが楽しめました。
(2005年3月施工/7月撮影)日差しの照り返しを防ぐ
植物を育てることが大好きなK様邸は、真夏の直射日光そして床からの照り返しが大きな悩みでした。
真夏の屋上の床の温度は50℃以上にもなります。
一所懸命水やりをしても、植物にはとても酷な環境でした。
ウッドデッキを敷くことによって照り返しは緩和され、植物も人も過ごしやすくなりました。
(2005年3月施工/7月撮影)
環境保護につながる
ヒートアイランド現象を緩和する
2005年7月に撮影した画像です。くつろぎの空間ができました。しかし、上記した様に真夏の床面は大変高温になります。環境問題の面から考えても、この温度を抑制することはヒートアイランド現象を緩和する有効な手段のひとつです。屋上にウッドデッキを敷くことによって、床面の温度上昇、また室内の気温が、どれほど変化するか実験してみました。
実験
都内のマンション屋上で、ウッドデッキの施工前、施工後の床温度の変化を計測しました。 また、その屋上の真下の居室の天井面温度も計測しました。
■実験概要■実験場所:東京都内 6階建て集合住宅屋上(50㎡)/実験日:2005年7月中旬~9月中旬
◆外気温 ■屋上床温度 ▲居室天井温度
▲ウッドデッキ施工前
平均外気温 31.1℃
屋上床平均温度 54.2℃
居室天井平均温度 33.0℃
外気温と床面温度差 23.1℃
▲ウッドデッキ施工後
平均外気温 31.3℃
屋上床平均温度 39.5℃
居室天井平均温度 30.4℃
外気温と床面温度差 8.2℃
省エネ効果
この実験からわかるように、ウッドデッキを敷くことにより、床面の温度上昇が抑えられました。また、居室の天井面の温度も抑制されました。冷房費の節約につながります。
屋上緑化
2006年の追加工事の様子です。
ウッドデッキガーデンのアクセントとしてレンガで花壇を・・・とのご要望でした。
完成した花壇です。
曲線のデザインで、やわらかい雰囲気に。
アクアソイルという軽量土を入れ、お好きな植物を植えていただきました。
K様のように、ご自分のバルコニーに少しでも多くの植物を植える方が増えれば、緑が多い街になっていくのではないでしょうか。
(2006年5月施工/撮影)
デザイン性と機能性を楽しむ
マンションのバルコニーに普及しているガーデンシンク。花の水やりや掃除、靴洗い、食事を楽しまれる方は、手洗いや調理場にもなるかもしれません。
(施工前のシンク 2005年6月撮影)
バツー材とタイル、そして、ゴールドの水栓金具に取替え、カントリー調のカウンターができあがりました。
K邸では、バルコニーでバーベキューを楽しむとか・・・。
シンク脇の物入れには、バーベキューセットが入っています。
(2006年6月施工/撮影)
同じくカントリー調のデザインの物置「カンナ・ミニ」も設置しました。
物置の上面は、立った時の作業台としてちょうどいい高さ。鉢植えの植え替えなどに最適です。
(2005年5月施工/撮影)
好きな場所をつくり、くつろぐ
奥行の狭いバルコニー部分にも、ライトを灯せば、くつろぎの空間に。小さな空間でも木材で無機質な部分を隠し、ハンギングバスケットを飾っています。
お仕事で深夜遅くに帰られても、屋上ガーデンを眺めるのがK様の何よりものストレス解消方です。
(2006年6月施工/撮影)
小さなコーナーにも植物が育っています。
(2007年3月撮影)
配水管を隠して、ライトを設置。
こんな風に細部にまでこだわり、お好みの空間に仕上げていくことで、よりいっそうくつろげる空間になります。
(2006年12月施工/2007年3月撮影)
美しい庭を保つ
2007年3月にお邪魔して、植栽の写真を撮らせていただきました。
季節ごとに花が咲き、いつ伺っても楽しくなるK様邸の屋上ガーデン。
植物を愛し、ガーデニングを楽しんでいる様子が伝わります。やはり、木の剪定の仕方を学ばれるなど日々植物について勉強されています。
このように広いバルコニーを美しく保つには、自動散水機のなどの設備も必要ですが、何よりもオーナー様の手入れがかかせません。
環境のための「緑化」といっても最初から多くの植物を買い揃えることは禁物です。
ご自分のライフスタイルを考慮し、目の行き届く量の植物を育てることも大切です。